ソプラノ歌手・中嶋彰子さん、ヴァイオリニスト・吉田恭子さんに引き続き、ついにクラシックアーティストも3人目(!)となるピアニスト・田部京子さんをラックスマン本社試聴室にお迎えした取材内容が音楽之友社「レコード芸術」誌7月号に掲載されております。今回も特別にその記事を2回に分けて掲載いたします。

ピアニスト・田部京子さんを迎えて
ラックスマンの「新・古典」と「古典的・最新」プリ・メインアンプ聴き比べ
《ネオクラシコ》SQ-N100 VS 《純A級》L-590AII
■文:今泉晃一
美しく繊細な音色と深い音楽性で人気の高いピアニスト、田部京子さんは、メモリアル・イヤーを前に、以前からリサイタルなどでよく取り上げてきたグリーグの作品を集めて録音した。このアルバムをメインに、田部さんとともにラックスマンのオーディオシステムを聴いた。
今回登場するのは、コンパクトなサイズ、洒落たデザインの真空管アンプで質の高い音楽再生を楽しむ「ネオクラシコ・シリーズ」、そして純A級増幅方式、吟味されたパーツなどを採用し、アンプとしての性能、音質をさらに追い求めてマークII化されたプリ・メインアンプL-590AII。
最初は、CDプレーヤーもペアで揃う「ネオクラシコ・シリーズ」から。ディスクは田部さんの『ホルベアの時代から~グリーグ・リサイタル』と、『ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番&第5番』。前者はCDとSACDのハイブリッド・ディスクのCDレイヤーを、後者はDVDオーディオでも発売されているが、CDの方を聴いた。
コンサートで弾くときに理想と
しているような音が再現される
「これまで、CDになった自分の演奏を聴くことはほとんどありませんでした。曲に対する思い入れが強く客観的に聴けないので、あまり楽しめないからです」という田部さんにとって、ここで聴くサウンドは初めての体験だったようだ。
「このグリーグのアルバムは去年の夏に録音したものですが、聴いていてレコーディングの様子を思い出し、今も自分で弾いているような気がしました。録音のときには『こういう音で録れているといいな』というイメージを持って弾いていますが、今日聴けたのは、それ以上の音でした(笑)。コンサートでも、ステージ上で自分が弾いている音と客席で聴く音を同時に聴くことは不可能ですからから、客席にどう響いているかを想像しながら弾いているのですが、この音は、私がステージで聴いている音にプラスして、ステージから音が立ち昇ってホールで響いている様子も同時に楽しめるように思いました。実際に弾くときに理想としているような音が再現されていて、とても嬉しいですね。しかも、この真空管アンプって、見た目も小さくて可愛らしいじゃないですか。そこからこんな本格的な音が出てくるなんて、信じられないです」

今回、真空管アンプを初体験された田部京子さん
こういうオーディオ装置だったら、
自分のCDももっと聴きたく
なるのかもしれません
続けて、L-590AIIで再生。使用したユニバーサル・プレーヤーDU-80はSACDも再生可能だが、それは後のお楽しみにとっておいて、まずはCDレイヤーを再生して、田部さんの意見をうかがう。
「すごく弾力があって、さらに音の純度が増したような気がします。ホールに響いていく音はもちろん聞こえるのですが、こちらはステージ上でピアノに向かった私が聴いている音により近い気がします。それと同時に、音のスケール感を感じました。自分の周り中が音で包まれている感覚で、実際にピアノを弾いているときの包まれ方とはまた少し違って、聴いていてとても気持ちが良いです。こういうオーディオ装置だったら、自分のCDももっと聴きたくなるのかもしれません(笑)」
続いて、スタジオで音を確認する程度にしか聴いたことがないというSACD(2ch)のサウンドを聴いていただくと、「とても瑞々しくて鮮やかですね。より響きのいいホールで弾いているような気がしました。真実の音はきちんとそこにあるのですが、それを最も楽しめるような形で聴くことができるのだと思います。きっとこのアンプやプレーヤーがあって初めてこの素晴らしい音を聴くことができたのだと思いますが」との驚きを伴った感想だった。
さて、『ホルベアの時代から~グリーグ・リサイタル』は《ペール・ギュント》や《ホルベアの時代から》のようにオーケストラや弦楽合奏で馴染みの深い曲も取り上げている。《ホルベアの時代から》はピアノ版がオリジナルだし、《ペール・ギュント》組曲はグリーグ自身による編曲。「《ペール・ギュント》は以前からコンサートでよく弾いていて評判も良く、CDに入れて欲しいというリクエストの声もかなりありました。もともとオーケストラの作品を作曲者自身が編曲したものですが、グリーグってピアノの特性を非常に理解していて、無理なことを一切強いないのです。シンプルでありながら、ダイナミックなスケール感がよく出るような譜面になっています。でも、楽譜がシンプルな分、弾き手にゆだねられる部分も大きいのですが」と田部さんは語る。
今回登場したラックスマンのアンプの持つ方式――真空管もA級も昔からある方式であり、奇を衒うようなものでない。そういうシンプルな構成であるが故に作り手の思い次第で完成度を高めることができ、だからこそ聴き手の心に響くのだろう。
後編へ続く・・・
投稿者 luxman
| 取材ニュース
|
Twitterでつぶやく
| トラックバック |
| このエントリーのトラックバックURL: http://www.luxman.co.jp/mt/mt-tb.cgi/153 |

